「ボラの飼育に興味があるけど、どうすればいいのかわからない…」
「釣ったボラを自宅で飼いたいけど、どんな設備が必要？」
「ボラって飼うのが難しいの？」
そんな疑問を持っている方のために、この記事では、ボラの基本情報から飼育環境、餌の種類、成長のスピード、混泳の可否、トラブル対策まで詳しく解説していきます。
ボラは比較的丈夫で飼いやすい海水魚ですが、適切な環境を整えないとストレスを感じたり、病気になったりしてしまいます。
本記事を読めば、初心者でも安心してボラを飼育できるようになります！
ボラって飼育できるの？
ボラは、世界中の温帯・熱帯地域に生息する海水魚・汽水魚で、日本でも沿岸部や河口付近でよく見られる魚です。
比較的タフな魚ですが、成長すると大きくなるため、飼育にはそれなりのスペースが必要になります。
ボラの基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Mugil cephalus ほか、複数種 |
| 生息地 | 世界中の温帯・熱帯地域の沿岸、汽水域、河口 |
| 最大サイズ | 約40～60cm（環境次第でさらに大きくなる） |
| 性格 | 比較的温厚だが、警戒心が強い |
| 捕食スタイル | 雑食性。藻類、小型無脊椎動物を食べる |
| 適正水温 | 20～28℃ |
| 水質 | 汽水～海水（比重1.005～1.025） |
| 特徴的な動き | 群れで泳ぐ。驚くとジャンプする習性がある |
ボラは、沿岸部や河口付近でよく見かける魚ですが、実は環境に適応する能力が高く、淡水域にも侵入することがあります。
自然界では群れで行動することが多く、警戒心が強いものの、慣れると人にも馴れる個体がいます。
街中でこんな映像を見たことありませんか？
「ねえ、昨日ボラの大群見たんだけど、めちゃくちゃたくさんいたよ！何あれ？？
「そうそう、ボラたまに大量発生することがあるんだよ。
何が起きてるの？？？
餌を探したり、水温が快適な場所を求めたりしてるんだよ！
そうなんだ！！！ 家の近くの川でよく大量発生しているのを見たことがあったけど、やっと理由がわかったよ！！
ボラの寿命は？
ボラの寿命は、野生環境と飼育環境によって異なります。野生では5～10年程度が一般的ですが、外敵の存在や環境の変化により寿命が縮まることが多いです。
一方、飼育下では適切な環境を整えれば10年以上生きることも可能です。
ボラの長寿を支える要因として、水質管理が非常に重要になります。
ボラは比較的水質の悪化には強いですが、それでも水質が悪化すると体調を崩しやすくなるため、定期的な水換えと強力なろ過システムの導入が推奨されます。
また、十分な運動スペースがあることでストレスが軽減され、寿命が延びる要因となります。
さらに、栄養バランスの取れた餌を与えることで、免疫力を維持し、病気のリスクを低減することができます。
ボラの成長スピード
ボラは成長が比較的早い魚で、飼育環境の影響を大きく受けます。
| 年齢 | 平均サイズ |
|---|---|
| 1年目 | 10～20cm |
| 2年目 | 20～30cm |
| 3年目 | 30～40cm |
| 5年以上 | 50～60cm以上 |
幼魚のうちは成長が早く、1年で20cm程度まで大きくなります。
しかし、成魚になると成長速度は落ち着き、最終的には50cmを超える個体も現れます。
水槽飼育では餌の量や運動量に影響を受けるため、過密飼育にならないように注意しましょう。
ボラは運動量が多いため、小さな水槽ではストレスを感じやすく、成長が遅くなることがあります。
ボラの餌
ボラは雑食性の魚であり、自然界では植物プランクトンや藻類、底砂に含まれる有機物（デトリタス）を主に摂取します。
また、小型の甲殻類や底生生物を食べることもあり、環境によって食性を変化させる柔軟性を持っています。
このように岩についてる苔とかも食べたりしてます！
飼育下では、自然の食性に近い餌を与えることで健康的に育てることができます。
ボラは比較的人工飼料にも慣れやすい魚ですが、最初は自然の餌に近いものを与え、その後ゆっくりと人工餌に移行させるとスムーズに食べるようになります。
| 餌の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 植物性フレーク （幼魚用） |
海藻由来の人工餌 | 消化に良く、栄養バランスが良い | 慣れないと食べないことがある |
| 冷凍ブラインシュリンプ | 小型甲殻類 | 高タンパクで食いつきが良い | 継続的に購入する必要がある |
| アミエビ | 生き餌または冷凍 | 自然の食性に近く、食いつき抜群 | 入手しづらい場合がある |
| ライブロックの藻類 | 水槽内で自然発生 | 水質浄化にも貢献 | 食べ過ぎると水槽内の藻類が枯渇する |
餌の与え方も重要で、一度に大量に与えると水質が悪化する原因になります。
1日に1〜2回、食べきれる量を与え、食べ残しが出ないように調整しましょう。
幼魚の間は、1日３回から４回あげてなるべく空腹でいる状態を避けるようにしましょう。
こちらが私のおすすめする幼魚用の餌です。
成魚になってからは、これがおすすめです！
また、ボラは水底の有機物も食べるため、底砂を定期的に掃除しながら餌の管理をすることが大切です。
ボラってなつく？
ボラは基本的に人になつきにくい魚ですが、飼育環境に慣れると人間の動きに反応し、餌をねだるような行動を見せることがあります。
特に毎日決まった時間に餌を与えていると、人の姿を見て水面に寄ってくることが多くなります。
しかし、一般的な熱帯魚や金魚のように手から直接餌を食べることは少なく、警戒心が強い個体もいます。
ボラは群れで行動する習性があるため、複数匹で飼育するとより安心して行動する傾向があります。
そのため、単独飼育よりも数匹での飼育を考えるのも一つの方法です。
また、水槽のレイアウトや環境を安定させることでストレスを軽減し、よりリラックスした行動を見せるようになります。
水槽内での生活に慣れてくれば、餌の時間に活発に動くなど、一定の親しみを感じることができるでしょう。
食べものよこせ！と集まってくるボラたち。#ボラ#むろと廃校水族館 pic.twitter.com/MLAtbGxhs1
— 鳥さん (@mercurio_rosso) March 8, 2025
他の魚と飼ってもいいの？
ボラは基本的に温厚な性格のため、他の魚との混泳が可能な種類です。
ただし、成長すると50cm以上になるため、小型魚との混泳は注意が必要です。
特に口に入るサイズの小魚は餌と認識される可能性があるため、一緒に飼う場合は大きさの近い魚を選びましょう。
混泳相手として適しているのは、同じ汽水・海水環境に適応できる魚です。
例えば、クサフグやクロダイ、ボラの仲間は比較的相性が良いです。
一方で、ウツボなどのような攻撃的な魚とは相性が悪く、一緒に飼うとボラが攻撃されてストレスを受ける可能性があります。
ボラと相性の良い・悪い魚
| 混泳の可否 | 魚の種類 | 理由 |
| ◎ 良い | クサフグ、クロダイ、シーバス | 温厚で環境が似ている |
| △ 注意 | 中型の海水魚（メジナ、カサゴ） | 餌の取り合いやサイズ差に注意 |
| × 悪い | ウツボ、攻撃的な魚 | ボラが攻撃される可能性あり |
混泳を成功させるためには、水槽のサイズを十分に確保し、それぞれの魚がストレスなく過ごせる環境を整えることが重要です。
また、餌の時間に注意し、ボラが十分に食事を取れるように配慮する必要があります。
ボラの飼育に必要な準備
ボラの飼育には、適切な設備を整えることが重要です。
特に成長に伴い体が大きくなるため、最初から大型の水槽を用意しておくことをおすすめします。
| 設備 | 必要性 | ポイント |
| 大型水槽（90cm以上） | 必須 | 成長に伴い広い環境が必要 |
| 外部フィルター | 必須 | 水質維持に重要、ろ過能力の高いものを選ぶ |
| エアレーション | 推奨 | 酸素供給を強化し、健康維持に役立つ |
| ヒーター・クーラー | 必須 | 水温を安定させるために必要 |
| 水流ポンプ | 推奨 | 自然な環境を再現し、健康的に育成 |
| 底砂 | 推奨 | ボラが自然に餌を探せる環境を作る |
| 水槽のフタ | 必須 | ジャンプによる飛び出しを防ぐ |
水質管理は特に重要で、ボラは排泄量が多いため、定期的な水換え（週に1回、1/3程度）を行い、強力なろ過装置を使用することが推奨されます。
また、飛び跳ねる習性があるため、水槽のフタをしっかりと固定し、飛び出し事故を防ぐことが大切です。
水槽の選び方
ボラは成長すると40～60cmほどの大きさになり、泳ぎ回るのが好きな魚なので、90cm水槽を用意するのが理想です。
| ボラのサイズ | 推奨水槽サイズ |
|---|---|
| 20cm以下 | 60cm水槽（幼魚期） |
| 20～40cm | 90cm水槽（最低限） |
| 40cm以上 | 120cm水槽（推奨） |
| 60cm以上 | 150cm以上（理想） |
狭い水槽では運動不足やストレスの原因になり、病気にかかりやすくなるため、できるだけ大きな水槽を用意しましょう。
また、ボラは驚くとジャンプする習性があるため、しっかりフタをすることが必須です。
水質管理
ボラの生息環境に合わせて、水質を適切に管理することが重要です。
汽水域に適応する個体もいますが、基本的には汽水～海水（比重1.005～1.025）を維持するのが理想です。
ボラを採取したところの海の比重を測って同じくらいの塩分濃度の海水を作るようにしましょう！
海水の作り方はこちらの記事を参考にしてください！
また、ボラは意外と排泄量が多いため、水質の悪化を防ぐためにも、強力なろ過装置と定期的な水換えが必要です。
ボラに適した床材
ボラは自然界では砂地や泥地に生息するため、水槽内でもこれに近い環境を再現することが大切です。
適切な床材を敷くことで、ストレスを軽減し、ボラが本来の行動をとりやすくなります。
最も適しているのは、粒の細かい砂やライブサンドです。
細かい砂（2～3mm程度）はボラが底砂をつついて餌を探すのに適しており、自然の環境に近い状態を作ることができます。
ライブサンドには微生物が含まれており、バクテリアが水質を安定させる役割も果たします。
底砂が硬すぎると、ボラが底をつついた際に口を傷つける可能性があるため、柔らかめの砂を選ぶのが理想的です。
私のおすすめの砂はこちらです。
よくあるボラの飼育トラブルとその対策
ボラは比較的丈夫な魚ですが、環境の変化に敏感なため、飼育時にいくつかのトラブルが発生することがあります。
| トラブル | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 水質の悪化 | 排泄物が多い、水換え不足 | 強力なろ過装置、定期的な水換え |
| 低酸素症 | 水流不足、酸素供給不足 | エアレーションの強化、水流を作る |
| 飛び出し | ボラはジャンプする習性あり | 水槽にしっかりフタをする |
| 他の魚との喧嘩 | 相性の悪い魚と混泳 | 事前に相性を確認し、隔離も検討 |
ボラは比較的飼いやすい魚ですが、環境が変わると敏感に反応するため、日々の観察を欠かさないことが重要です。
ボラの飼育は難しいの？
ボラは汽水や海水環境に適応し、丈夫な魚なので、比較的飼育が容易な部類に入ります。
しかし、適切な環境を整えなければ体調を崩しやすいため、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
ボラの飼育が簡単な理由として、人工餌にも慣れやすく、強い病気にかかりにくい点が挙げられます。一方で、ジャンプする習性があるため水槽のフタをしっかり閉める必要があり、大きく成長するため十分なスペースを確保することも大切です。
適切な設備を整え、定期的なメンテナンスを行えば、初心者でも長期間にわたりボラの飼育を楽しむことができます。
ボラの飼育 Q&A
Q1. ボラの水槽サイズはどのくらい必要？
A. ボラは成長すると50cm以上になるため、最低でも90cm水槽、理想的には120cm以上の水槽を用意するのが望ましいです。
Q2. ボラは淡水で飼える？
A. 基本的には海水魚ですが、一部の種類は汽水環境にも適応できます。
淡水環境では長期飼育は難しいため、適切な塩分濃度（1.005～1.025）を維持する必要があります。
Q3. ボラは夜行性？
A. ボラは日中に活動する魚ですが、環境によっては夜に活発に動くこともあります。
Q4. ボラは餌をどのくらいの頻度で与えればいい？
A. 成魚には1日1～2回、幼魚には1日2～3回与えるのが理想です。食べ残しを防ぐため、少量ずつ与えましょう。
Q5. 他の魚と混泳させる場合、どの魚が適している？
A. 温厚な魚であるハゼやクロダイ、ボラの仲間となら混泳可能です。一方、フグや攻撃的な魚との混泳は避けましょう。
ボラの飼育 まとめ
ボラは比較的丈夫で飼いやすい魚ですが、適切な環境を整えることが重要です。
特に以下のポイントを押さえることで、長期間健康に飼育できます。
ボラの飼育は、適切な知識と設備を整えれば決して難しくありません。
初心者でも楽しめる魚なので、しっかり準備をしてボラとの生活を楽しみましょう！
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